2024年06月29日
「劣化」の弊害。
2024年 6月28日(金) 晴れ
南西の風 やや波あり
前日から本島に出ていたので秘密基地泊で迎えたこの日も、朝から全力で「夏」だった。
梅雨明け以後渡久地港待合所の駐車場は満車気味だから、お昼前後のほどよい時間に帰ろうとしても車を停める場所がない。
車を駐車場に停めてから島に戻るには、まだ誰も来ない朝早い時間にするか、午前中の客が昼の便で帰ったあとにする必要があるのだ。
いつでも帰還OKだったコロナ禍中が懐かしい…。
朝早めに島に帰っても日帰り客でごった返す喧噪が待っているだけだから、午後遅めに戻ることにし、午前中は物置で少々作業をした。
その後作り始めた棚を増やし、だんだん物置らしくなってきた。
![「劣化」の弊害。 「劣化」の弊害。](http://img01.ti-da.net/usr/c/r/o/croissant/240629logphoto_nK5.jpg)
この一画は何かとモノが多いオタマサの畑仕事用品スペースなので、こういった棚が無いとあっという間に床がモノだらけになってしまう。
それらが床に溢れてしまわないよう、このあとさらに床設置タイプの棚をはじめ、用途に応じた収納スペースを作らなければならないから、工作シゴトは現在まったくもって序の口段階でしかないのだった。
午後イチの便で多くの日帰り客が渡久地港に戻ってきて駐車場から去っていった頃を見計らい、買い物を済ませて島に帰還。
ところで渡久地港では、先日紹介した北岸の浮桟橋工事が、ほぼほぼ完了している。
![「劣化」の弊害。 「劣化」の弊害。](http://img01.ti-da.net/usr/c/r/o/croissant/240629logphoto2_jnL.jpg)
なんだか北朝鮮の短距離ミサイル発射基地のような風情になっているけれど、これが本部町港湾管理課が思い描くこの町の未来の港の様子なのだろう。
で、この工事現場、一週間前からずっとこの状態で、ヤードとなっていた広場にはクレーンその他工事車両の姿は無く、その後なんら作業を進めている気配がない。
不思議に思い、事情通のうみてんぐサトーさんに前日うかがったところによると、やはり工事は終了していて、あとはヤクニンの検査待ちという状態らしい。
ワタシが認識しているだけでも工事が終わって軽く一週間は過ぎているのに、まだ検査待ち?
「検査は7月4日に予定されているんだって…」
来月4日っていったら……来週じゃんッ!
サトーさんも人伝に聞いた話ということだから詳細は不明ながら、とっくの昔に工事が終わっているのになぜ検査がそんなに遅くなるのかという問いに対し、本部町のヤクニンは
「悪天候などがあって工事の予定に変更があったから…ゴニョゴニョ」
と、まったくもって意味不明の理由を述べるだけだったそうな。
工事の予定に変更もなにも、その工事はしっかり工期内で、それも一週間前に終わってるんですけど?
検査が終わるまでは「工事」が終わるわけではないから、立ち入り禁止ゾーンはそのままに、ただ時間だけが流れている浮桟橋周辺。
このハイシーズンに広範囲に渡って港の使用不可ゾーンを設けたまま、工事が終わっているにもかかわらず、ほぼ理由皆無の「事情」で検査は工事終了から2週間後って……
絵に描いたような田舎のヤクニン根性丸出し状態を見せつけて、当のヤクニンたちは恥ずかしくないのだろうか。
沖縄は他の地方に比べても地方行政に携わる人間たちの「お上」意識が一段と高く、このような非合理的かつ不条理なヤクニンスタイルが当たり前だから、町内納税者の暮らしを見る目など、ほぼほぼ夢見るメガネ総理と変わらないのは間違いない。
昔のヤクニンはそれでも個々がそれなりにシゴトをしていたから「お上」でいられたのだろうけど、北部土木事務所という県のヤクニンですら水納港改修工事においてこのていたらくぶり、その現状を鑑みるに、本部町レベルのヤクニンの個々の能力となるともはや絶望的なのかもしれない。
ここでいう「能力」というのは、事務シゴトをこなす力とかキャリアアップのためのなんやかんやということじゃなく、町内納税者の暮らしを見る目のことね。
ようやく来月4日に検査が行われたとしても、絵に描いたようなヤクニン根性を発揮して、請負業者に対しあっちゃこっちゃにイチャモンをつけるのだろうなぁ…。
はたして港が港として復活する日はいつになることやら…。
さてさて、島に戻ってなんだかんだやっているうちに夕刻になり、熱射太陽がようやくヒトにも優しくなった頃のこと。
庭の畑や芝生に水をやっているオタマサが、いつものごとく頭の上に「?」マークをたくさん並べながら、
「水道の水圧が異常に低くなってる…」
と首をひねっていた。
試してみると、たしかにお話にならないくらい水が出ない。
ほんの少し前までちゃんと出ていた気がするとオタマサがいうので、ひょっとしてうちだけのモンダイかと思いいろいろ調べてみたものの、特にこれといった理由が見当たらない。
民宿はどうなっているんだろう…と大城さんまで訊きにいったオタマサは、途中でタツヤさんに会い、タツヤさんのところも同じように話にならない水圧になっているという。
こうなると、理由は水道局案件以外に考えられない。
冬の間に行われた水タンクの補修工事に起因するものなのだろうか?
とにかくどうにもならないのでとりあえずシャワーを浴びたものの、ただでさえ低い水圧のこと、肩より上にシャワーヘッドを持ち上げると、気の抜けた小便小僧のような流量しかなくなってしまう。
このままでは、民宿のお客さんも日帰り客も、満足にシャワーを利用できない。
そのあとタツヤさんから電話があり、水タンクに水を溜めるための流量が、チョロチョロ…ほどに設定されているためということが判明した。
冬の間は総勢十名ちょいの島民しか水を使わないから、水タンクへの流量を景気よく大きくしすぎると、すぐにオーバーフローしてしまうのだろう。
でも梅雨が明け、シーズン真っ只中に突入している今は、日帰り客を初めとする何百人というお客さんが文字どおり湯水のごとく水を使っている。
ということは、梅雨明けからこっち、水タンク貯水用の流量は冬のままでありつつ、供給だけはハイシーズンになっていたことになる。
そりゃいくら巨大であっても、水タンク内の水が底をつくわけだ。
ただちに班長が本部町水道局に連絡し、すったもんだの末に貯水タンクへの流量を夏バージョンに変えてもらったところ、各家庭の水圧はようやく元の状態を取り戻したのだった。
ようするに、水道局が本島側の施設で行う作業ひとつで、モンダイは解決したのである。
逆に言うと、その水道局の人間がスカポンタンだからこそ、こういう事態になってしまったともいえる。
島の冬と夏とでは水道の使用状況が異なることなど、これまで何十年にも渡って連面と続いてきたシーズンの繰り返しの果てに、水道局は熟知していて当たり前。
実際にこれまで、このようなことは一度として発生したことはなかった。
前任者からの引継ぎ作業のテキトーさ、想像力の欠如、そして納税者の暮らしを見るチカラの不足……
水道ひとつとっても、オヤクニンレベルの劣化は我々納税者にとって相当深刻な段階に達しているのかもしれない。