2012年12月01日
ジャネー洞
2012年 11月30日(金) 晴れのち時々雨
南東の風 おだやか
所用あって本島で一泊しなければならなかったため、昨日のこの稿の更新ができなかった。
それはあらかじめわかっていたのに、更新できない旨の予告を忘れてしまった。
そんなことなどどーでもいいものの、きっと一部では「また飲みすぎたんだな…」と勝手に解釈されていた向きもあったかもしれないのがややクヤシイ。
で、所用ついでに、長期入院中のミスクロワッサンを見舞ってきた。
近況はこんな感じ。
小雨降る中、雨ざらし状態だったりするものの、取り外されてあるエンジンはすでに他所でオーバーホールが終了しており、「思ったほど被害は無かったですよ」という心強い(?)お言葉をヤンマーさんからいただいていた。
で、今はFRP業者さんが、派手に傷ついた船体の修理中というところ。
まだ若いイケメン職人さんが、雨合羽を着つつコツコツと作業をしてくれていた。
このFRP補修作業は、まもなく終了する見込みという。
ま、年明けくらいにはなんらかの形になっていることだろう。
気になる修理費用は、想定の範囲内で済みそうな模様。
というか、昨年被災した際に各方面の皆様からお寄せいただいた貴重な浄財はそっくりそのまま手付かずで残していたので、今年の浄財と合わせてそれでなんとかなる見込みだったりする。
……すみません、家になるはずのものが船になっちゃいました。
さて。
この修理工場は普段まず行く機会が無い場所にあるんだけど、そのすぐ近くにまったくその存在を知らなかった小島があった。
橋が架かっているけれど、本来は離島である。
その名を藪地島という。
同じ縮尺の地図で見るかぎり、水納島よりも小さい島だ。
どんなに小さな島でも同じ県内のこと、名前くらいは聞いたことがありそうなものなのに、この藪地島はまったくのノーマークだった。
車に積んである道路地図では、橋を渡った途端に道が尽きるようだ。
ところがその先、島の先っちょに、
ジャネー洞
という名の、実にアヤシゲかつ興味をそそられる見所マークが記されているではないか。
小雨が降ってはいるものの、せっかくここまで来たんだからこの機会を逃す手は無い。
というわけで、藪地島初上陸♪
この島が作り出す天然の良港を眺めつつ橋を渡ると、舗装道路はすぐに尽きた。けれどそのまま道が一直線に伸びている。
てっきり島内は無人の荒野なのかと思いきや、道の周囲は耕作地だらけで、軽トラックなどの自動車もけっこう停まっていた。
まさか住んではいないだろうけど、耕作地としてすでに様々な方々が土地を所有しているようだ(法的に、かどうかは不明)。
悪路をそのまままっすぐ行くと、やがて行き止まりになる。
そこが、件のジャネー洞だ。
入り口に説明書きがあった。
遺跡としては、けっこう地味な扱いらしい。
でもその見た目は……
かなりインディー・ジョーンズ。
奥には清水が湧き出るという空間がさらに続き、いかにも鍾乳洞という雰囲気に満ち満ちている。
今もなお様々な神様が息づく沖縄である。
このような自然の構造物を目の当たりにして、付近住民が黙っているはずはない。もちろんこの洞穴も、付近住民はおろか近隣遠方を問わず「聖地」とされていた。
ただ………。
……なんだか変なんです。
邪心なく神様へなんらかの心を表したいという気持ちもわからなくはないけれど、各所にある祭壇にはどうにも違和感を覚える。
まるで田舎の民宿の庭先にあるオブジェのようなのだ。
シャコガイやサンゴであしらわれていたり、
こんな感じになっていたり。
そのほか、アルコール飲料の青いビンをズラリと並べてあったり、今風の模様が描かれたアプローチがセメントで作られていたり………
はて、昔からの聖地というわりには、かなりポップな雰囲気もあるような気がするんだけど……
…と不思議に思っていたところ、注意書きを読んですべてを納得してしまった。
みんな、勝手に作ってたんだ……。
神様へのそれぞれの気持ちにはけっして邪心はないに違いない。
でも、邪心はないけど気配りもない、ということか。
いますよねぇ、こういう方々はどこにでも。
閑静な住宅街なのに、そこにド派手な赤と白の家を建てちゃう漫画家とか………。
この不思議空間から続く小道を降りると、そこには小さな浜があった。
遠浅の東海岸のことなので、ビーチは純白の砂というわけにはいかないものの、ゴミ以外の人工物がない空間はやはり気持ちがよかった。
知る人ぞ知る、知らないヒトは微塵も知らない薮地島。
海中道路まで足を運ばれた際には、是非とも上陸してみてくださいませ。
Posted by クロワッサン at 08:59│Comments(0)
│観光