2013年05月29日

さそり701号。

2013年 5月28日(火) 晴れ

南の風 おだやか 水温23度

 梅雨明けを思わせる連日の好天のおかげで、ここ半月ほどずっと22度で滞っていた水温が、ようやくその重い腰を上げて上昇に転じ始めたようだ。

 水が温かくなると、冬っぽい濁りが冷たい水とともに下方に去っていく。だから潮のタイミングがいいと、エントリーと同時に夏の青さに包まれることになる。

 気持ちいい!!

 それはウミウシたちも同じなのか、そこかしこで楽しげにデートしていた。

さそり701号。


 なにやらわからぬウミコチョウの仲間のカップル。
 そしてコケムシでは……

さそり701号。


 ツノザヤウミウシが2人で仲良くお食事中。

 若夏の陽気は、ウミウシたちをウキウキさせるものらしい。

 しかし今日のトピックは彼らウミウシたちではない。
 うちの奥さんが案内しているゲストの方々は、60分も70分も潜り倒すような方々ではないので、早めに船の下に戻ってきてから、例によってO野さんのマネをしてみた。

 めくる石5枚限定で臨んでみたところ、3枚目でこういうクリーチャーが。

さそり701号。


 6センチほどの甲殻類だった。
 一瞬新手のテッポウエビかと思ったけれど、鋏の形状はまったくテッポウエビではないし、逃げ方もなんだかまったく前が見えてません的なのんびりしたもの。

 こうして冷静に見てみると、そのフォルムはアナジャコ類に似ている。まったく色味は異なるものの、干潟に住んでいるオキナワアナジャコに形はそっくりだ。

 が。

 彼の特徴は、歩行中のキメのポーズにあった。
 何かに寄り添うときは、上の写真のように普通のエビっぽい姿勢をとっているんだけど、ポッとだだっ広いところに放り出されると……

さそり701号。


 このエビ反りポーズで前進するのだ。
 その姿はまるで……

 すこーぴおん!!

 さっそく現在最強のエビ図鑑で調べてみたところ、載っていない。
 おお、これは新種に違いない!!

 ……って、アナジャコ類だったらエビじゃないからエビ図鑑には載ってないって。

 なんてことだ、正体がわからない。
 というわけで、世界のM下さん、久しぶりに出番です(笑)。


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Posted by クロワッサン at 07:53│Comments(4)水納島の海
この記事へのコメント
おぉっ、こいつはかっこいいですよね~。

拙ブログにも石垣島で撮影したものを載せております。
http://blogs.yahoo.co.jp/divermatsukun/53064459.html

アナジャコ類でしょうが、たぶん Paraxiopsis majuro ってやつだと思います。
http://decapoda.nhm.org/pdfs/18091/18091.pdf
Posted by 世界のM下 at 2013年05月29日 11:13
電光石火の即レス、ありがとうございます!
さすが世界のM下さん、すでに撮影済みでしたか。
…というか、どこかで見たことあるような気がしていたのは、
M下さんのブログだったようです(笑)。
やっぱサソリに見えますよね!

ご紹介いただいた記載論文、論文自体は(英語なので)意味不明ですが、
図版を見るかぎりではほぼこのヒトで間違いなさそうですね。
Posted by クロワッサン at 2013年05月29日 16:22
上半身がエビで下半身がシャコのケンタウロスの様ですね。色も美しい!
Posted by 泉ちゃん at 2013年05月30日 00:33
ウナギイヌじゃなくて良かったです(笑)。
Posted by クロワッサン at 2013年05月30日 06:59
 
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