2013年08月20日

肩透かし。

2013年 8月19日(月) 晴れ時々スコール

北東のち東の風 おだやかのち波あり 水温28~29度

 終戦記念日の翌日16日のクロワッサンは、今夏はもちろん今シーズンマックスのゲスト数の日で、そのダイビングが終了したアペリティーボタイムは、長かったお盆商戦の事実上の終戦記念日でもあった。

 翌朝島を発つ方、翌日潜ってから島を発たれる方、この日ご到着された方、みなさん揃ってアリ乾杯ッ!!

肩透かし。


 そう、この日夕刻までは平和だったのだ。

 が、音もなく忍び寄る白色彗星の姿が、ついに可視範囲に登場。

 なんと、本島近海にある熱帯低気圧が、発達しつつ本島を通過していくという。

 おまけにそれとは別に南海上にある別の熱帯低気圧が、台風になって沖縄近海に接近してくるらしい。

 これはどう考えても18日以降はアウトになってしまうだろう。

 そこで、17日は1本目9時スタートで早めに2本潜り、その日のうちに船を渡久地港へ避難させた。
 例によって誰よりも一足早い避難ながら、何度も言っているように、連絡船が運航しているうちに避難させなければ、島に戻ってくることができないのである。

 そしてこれまた何度も言っているように、今年から船を陸揚げするようにしているため、船を揚げてから所定の位置に移動させるための二人がかりの作業は、多大な労力と時間を要する。
 何も載せていない船台なら一人で移動させられるけれど、船を載せている船台は、車で牽引している最中でも、方向転換させるためにものすごくパワーを必要とするのだ。

 大したことがなさそうであれば、ひとまずは洋上に係留しておいて様子を観る、という手をとりたいところながら、連絡船が欠航している間に状況が急変しても、島にいるとどうすることもできない。そのため最初から面倒な陸揚げ作業をしておかなければならないのだ。

 そういうわけでとってもしんどくはあるものの、すでに何度か経験したこともあってやや手慣れてきた感を抱きつつ、17日午後には船の陸揚げ作業完了。
 そうこうするうちに、昼間はなまやさしい予報を出していた気象台も、夕刻になって翌日以降がストロングな状況になる予報に変えていた。

 ふむ、やはり船を避難させておいて正解だ。
 あとは夜に台風歓迎ゆんたくをして、翌朝ゲストを見送ればいよいよ台風休み!!

 ところが!!

 翌朝、やけに静かな窓の外。
 風はそよそよと葉を揺らす程度で、海はベタ凪ぎ天気は快晴。
 天気予報も、昨夕の予報などどこ吹く風ってな開き直りで実に平和な数値を記している。

 完全無欠のダイビング日和ではないか。

 この日朝島を出るだけと決めていた連絡船も、当然ながら通常運航に。台風休みモードだったビーチの海の家も各パーラーも、早朝から臨戦態勢に切り替わった。

 もともとこの日帰る予定だったゲストのみなさんはともかく、本来もう一泊する予定だったのに撤退を余儀なくされていたゲストの皆さんが狂喜したのは言うまでもない。
 一泊どころかダイビングすら可能なのだから。

 その一方で、あまりのショックに意識朦朧としていたのがビーチのバイト君たちや、パーラーティーダのティーダガールズの面々だ。
 基本的に定休はなく、台風が来たらお休みということになっている彼ら彼女たちは、先月の連休以来一ヶ月間、無休で働きまくっていた。
 そこに、ついに台風来たるの報が。

 台風を求めているのは、高水温に辟易しているサンゴたちだけではないのである。

 ああ、それなのに、絵に描いたような肩透かし。
 彼らが思い描いていた夏のバカンスは泡と消えた。

 一方我々も、朝イチの便で島を出て、昨日せっかく美しく陸揚げした船を再び海に戻し、ソッコーで島に戻ってきてから通常モードで2ダイブ。

 いやもう、この陸揚げ作業と海に戻す作業を続けざまにやると、体中の節々や筋肉が悲鳴をあげることあげること。
 ホントに、フツーにダイビングの仕事をしているほうがどれほど楽かってなくらいなのだ。

 とはいえこうして再び島は通常モードになり、その日が本来の予定どおり最後の晩であるゲストのみなさんとともに、のどかなゆんたくタイムが………

 …と思っていたら、南海上にある熱帯低気圧が台風に変身。

 どうやら20日以降が危うそうだ。
 しょうがないので、翌日、つまりこの日19日も再び早めの2ダイブ作戦にし、午後から船を渡久地港へ。戻ってきてから後片付けをして、夜はいつもどおりゆんたくタイム。

 そんなわけでとにかくこの3日間は、朝8時の船で島を発つ方を見送り、9時からダイビング、午後は本島へ、そして夜は通常どおりゆんたくタイム、そしてまた朝イチで船を取りに行って2ダイブ、翌朝また8時に帰る方を見送ってから9時から2ダイブ、そして本島へ………

 まさに怒涛の日々だった。
 そんな期間にこの稿の更新などやっていられようはずはない。

 そう、長々と書いて何を言いたかったのかといえば、ただ一つ。

 けっして酒を飲みすぎてサボっていたわけではないのである。

 なにはともあれ明日からはしばらく台風休み。
 夕方の最終便で、満面の笑みを浮かべながら島を出て行ったティーダガールズたちが、束の間の夏のバカンスを楽しめますように……。


同じカテゴリー(日々の徒然)の記事
カミノテドア。
カミノテドア。(2024-05-01 07:55)

ダダ漏れの縮図。
ダダ漏れの縮図。(2024-04-07 07:32)

トマトにマッチ。
トマトにマッチ。(2024-04-05 07:45)


Posted by クロワッサン at 08:41│Comments(2)日々の徒然
この記事へのコメント
文章の強調部分は、もっと強調してもいいくらいでは。。?
本当に、今回の件で植田家お二人の超人的パワーに脱帽いたしました。。
ゆっくり束の間の休息?睡眠?を満喫して下さい。
お世話になりました。ありがとうございました!
Posted by ウータン中村 at 2013年08月20日 12:25
一時は台風で早期撤退を余儀なくされそうでしたが、
なにはともあれご予定コンプリートでなによりでしたね!
ワタクシとしましては、モッツァレッラの超絶的美味さに脱帽しまくっております(笑)。
ご馳走さまでした!!
Posted by クロワッサン at 2013年08月20日 14:09
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。