2015年05月23日
ドクターボート。
2015年 5月22日(金) 雨
北の風 おだやか 水温22~23度
ちょっと雨が降ってやや時化ただけで、水温が1度も下がってしまった。
ゴールデンウィークよりも寒いんですけど……。
そんな肌寒い鉛色の日に、見慣れぬ船が島の桟橋に接岸していた。
色気も何もない武骨なフォルム、保安庁か何かお役所の船かと思ったら、役所は役所でも伊江村が管轄するドクターボートだった。
診療所はあるとはいってもほぼ無医村に等しい伊江村が、夜間は飛べず輸送能力にも限界があるMESHに加え、村の救急医療に役立てるべく、この春就航させたもの。
その予算を得るためには伊江村だけの需要では説得力に欠けるということだろう、周辺離島、すなわち本部町水納島をもその活動範囲に入れるべく本部町役場とタッグを組み、「沖縄北部連携促進特別振興事業」の名の下に総額1億4千万のドクターボート「みらい」が誕生したのである(名前は伊江中の生徒によるものらしい)。
新聞記事によると、船内には、人工呼吸器や電動式吸引器、酸素吸引装置、ストレッチャーなどを完備。全長17・9メートル、幅4・2メートルで最大20人が乗船可能だそうだ。水難事故に備え、小型ボートやはしごも備え付けられる。
さて、気になるその船内は……
……こんな感じ。(以上4点、撮影:オタマサ)
ストレッチャーが何台収容可能なのかは知らないけれど、たしかにちょっとした診療所のような雰囲気だ。
救急搬送用だから速度も速く、伊江島と本島間は12分、水納島と本島間なら10分もかからないという。
揺れを軽減する仕組みになっているそうで、その名のとおり相当近代的なドクターボートなのである。
が。
ひとつだけモンダイが。
もっぱら夜間航行になることが必至のこの「みらい」、立派な伊江港や渡久地港ならなんのモンダイもないけれど、夜間照明はもちろんのこと水路表示すら片側だけ、しかも港内は砂が堆積してところどころやたらと水深が浅いため、潮が引いているときはそれを避けて航行しなければならないのである。
ドクターボートの船長、港をひと目見るなり自信を失ったらしい……(当サイト推測)。
この日わざわざ干潮時を選んで水納島に寄港したのは、そのあたりの下見の意味もあったようだ。
船は近代的な「みらい」でも、水納島の桟橋は「みかい」なのだった。
まったくもう、船はおんぶにだっこで話に乗っかることができたんだから、せめて港くらいちゃんと整備しろよ>本部町。
ともかく、この先ナニゴトも無ければお世話になることもないドクターボート。
そういう意味では、その姿を拝めるのはこの日が最初で最後かもしれない。
ある意味レア。
この日たまたま桟橋に居合わせたゲストお2人は、水納島でマンタを観たに等しいラッキー体験だったのである。
Posted by クロワッサン at 08:11│Comments(0)
│日々の徒然