2024年10月11日

シーラカンス。

2024年 10月10日(木) 曇りのち夕方から晴れ

北の風 波あり 水温27度~28度

 昨日までの秋晴れはどこへやら、未明から夜明け頃にかけて雨すら降っていた午前中の空は、ずっと雲に覆われ続けていた。
 
 いやはや、寒いったらない。
 
 午後になってようやく晴れ間が広がるようになると、さすが亜熱帯の太陽、風に当たっていても寒くはない。
 
 ただしその太陽も1日のツトメを終える頃になると、夕焼け空でもやっぱり肌寒い。
 
 秋ですねぇ…。
 
 そんな季節の変化を遥か前から察知していたのであろうアジサシたちは、とっくに姿を消している。
 
 でもここ数日は、航路脇の赤灯台に若鳥2羽とオトナ1羽のエリグロアジサシがずっと留まっていた。
 
 どこかから渡ってくる途中で若鳥が疲れ果て、疲労回復のための羽休めをしていたのだろうか。
 
 数日経ってもなかなか立ち去らないから、ひょっとして登校拒否ならぬ渡り拒否児童なのかと心配していたところ、この日ようやく姿を消していた。
 
 厳しい季節の変化の前には、拒否もヘッタクレもないのだろう。
 
 話は変わる。
 
 先月のことながら、とある方からこのようなモノをいただいた。
 
シーラカンス。

 箱の中で個別包装されているものを取り出すと、一見古風なモナカであるように見える。
 
 でもパックリ2つに割ると…
 
シーラカンス。

 中身は餡子だけじゃなくて、バターもたっぷり♪
 
 実はこのお菓子は今仙台市内で空前絶後の人気スイーツとなっている「シーラカンスモナカ」という逸品で、現地の方々ですら購入することがムツカシイほどの超人気商品なのだそうな。
 
 なんでもフィギュアスケート界のアイドル羽生結弦が「とっても大好き♪」とうっかり口に出してしまったことで火がついたそうで、本来であれば日本の端の端の僻地にいる我々などがおいそれと口にできるはずがないどころか目にすることすらできないはずのもの。
 
 そんな貴重なモノを、どうもありがとうございます♪
 
 もちろんのことバターと餡子のマリアージュが美味しくないはずはなく、ちょい強めの感じがする塩味も効いて、これがなんとも……
 
 美味いんじゃ。
 
 恥ずかしながら先月いただくまでまったくその存在を知らなかったワタシは、「シーラカンスモナカ」と聞いて、たい焼きのようにシーラカンスを象ったモナカなのかと思ってしまった。
 
 でも実際の外見は、なんとも和風な正調モナカって感じ。
 
 浮き彫りにされている文字は「栄泉堂」と書かれているんだけど、はて、シーラカンスモナカを販売しているのは「メゾンシーラカンス」というお店なのに、いったいどういうこと?
 
 と不思議に思っていたところ、実は仙台にはそれ以前から栄泉堂の「バター最中」という商品があり、その栄泉堂はメゾンシーラカンスのパティシエのご実家なのだそうな。
 
 なのでモナカの皮部分は実家が製造し、中身をオリジナルにして新商品となったのがシーラカンスモナカなのだとか。
 
 ちなみに栄泉堂の「バター最中」とメゾンシーラカンスの「シーラカンスモナカ」の何が違うかというと、使っているバター。
 
 栄泉堂では国産バターなのに対し、メゾンシーラカンスでは世界的に評価が高いおフランスのなんちゃらいう有名なバターを使用しているのだそうな。
 
 シーラカンスという、進化に置いてけぼりを食らったような名前でありつつ、実はオサレ―に進化している和洋折衷菓子なのである。
 
 それはともかく、実家の製品を使っての新ブランドの新商品、御一族間の話だからこそ丸く収まっているんだろうけど、ひとたびこじれてしまったら、かつての御菓子御殿VSナンポーの紅いもタルト紛争のような仁義なき戦いになったりしないんだろうか…。
 
 ところで、バターと餡子という組み合わせに対し、保守的味覚のまま齢を重ねている高齢者のなかにはいまだに顔をしかめる方もいらっしゃるのかもしれない。

 実際、その昔は全国区のテレビタレントが名古屋ディスりトークのひとつとして、名古屋にはバターと餡子のトーストがある、などと言ってさんざんバカにしてはいなかったっけか。
 
 名古屋の小倉トーストこそバター&餡子の元祖だというのに、お店自体は老舗中の老舗ではあってもケンミンショーのような番組などなかった時代のこと、名古屋以外の人々には禁断かつ衝撃的組み合わせだったのだろう。
 
 それを東京を中心としたテレビ番組等でさんざん小バカにしていたくせに、気がつけばバター&餡子のスイーツが世の中にどれほど増えていることか(今ではスターバックスにすらあんバターサンドなるものがあるそうな)。
 
 今の若い方々にとってはおそらく生まれた頃から馴染み深いのであろうバターと餡子のマリアージュ、しかし二人の恋が成就するまでには、ロミオとジュリエットなみの長い苦難の道があったのだ。
 
 < そんなに長くなかったのでは?
 
 ひと箱分を賞味期限内に2人で急いで食べきるのも味気ないから、残りは冷凍にしてとっておき、のんびりしているときにじっくり解凍していただくことにしてあったシーラカンスモナカ。

 おかげで今日もワタシはシーラカンス…
 
 ……ああ、美味しい。


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Posted by クロワッサン at 06:38│Comments(2)世間の美味いもの
この記事へのコメント
おぉ…!これはまたレアなものを食されましたね。
弊社の仙台支社から徒歩5分ほどにあるカズノリイケダのシーラカンスモナカ。大好きです
お店から地方発送は受けてくれるのですが
お取り寄せは受けてもらえないという逸品。
私も北のマスターのお客様に教えていただきました♥
Posted by Miho♪ at 2024年10月13日 22:39
その後ヒアリングしたところによると、
東京にお住いのイナカモノのみなさんが誰もご存知なかったところからしても、知る人ぞ知る銘菓なのですね、シーラカンス。
それはつまり、さほど有名ではないってことなのかもしれませんが、「知る人」になれた我々は果報者です(笑)。
Posted by クロワッサン at 2024年10月14日 06:16
 
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