2015年02月19日
アホウドリの糞でできた国。
2015年 2月18日(水) 晴れ
北の風 波あり
以前紹介したことがある水納小中学校の「読み聞かせ」に、この日またオタマサが行ってきた。
前回まではわざわざそのためにそれなりの本を買い求めていたのだけれど、今回は特にそういう動きはなかった。
はて、何を読み聞かせてきたのだろう?
これだった。
「アホウドリの糞でできた国~ナウル共和国物語~」。
なんだか「注文の多い料理店」のような趣もあるタイトルながら、中身はいたって真面目な太平洋の小国のリアルドキュメント。
アホウドリの糞で国ができているというのも、比喩でもなんでもなく、一国の社会経済にまで踏み込んだリアルな話なのだ。
とはいえ文体はあくまでも絵本仕様で、ながらく単行本だけ出版されていたものがこのたび文庫本になって再登場した本である。
ただ、絵本のような文体ながらも、そこで描き出されるナウル共和国に対する筆者の視線は、絵本っぽいオブラートでくるまれながらもほぼ95パーセント全否定、残りの5パーセントが暖かい目ってな感じなのが面白い。
それもそのはず、よくよく読んでみると、なまじリン鉱石という天然資源があったものだから裕福になってしまったナウルの人々のダメダメっぷりはむしろ痛快なほどで、「自堕落」をリアル映像にしたらきっとこうなるだろうというほどの描かれようだ。
にもかかわらずどこかしらなぜか惹かれるものがある、というところが、南太平洋にポッカリ浮かぶ小さな島国の得がたい魅力というところだろうか。
「読み聞かせ」はこの本の第1章のみ抜粋、という形で終えたらしい。
はたして子供たちの心に、南太平洋の人々の姿はどのように映ったろうか。
ところで、なぜこの本が我が家にあるかというと。
昨年の話を今頃するのも恐縮ながら、実はこれ、ゲストからいただいた本なのだ。
そのゲストとは、この方。
ご存知……というほど最近は露出は多くはないから「知る人ぞ知る」、旅する酔っ払いキーノ小岩氏である。
これまでに訪れた国の総数百数十カ国、世界中を旅する彼は、旅先で膨大な写真を撮影する。
誰も行ったことがないようなマニアックな国の情報が貴重なことはもちろん、本人が喋らず登場せず、旅先での写真だけを拝見させていただけば、そこに見え隠れする類まれなる才能をきっとうかがい知ることができるだろう。
そんなキーノ小岩氏が、先に紹介したナウル国の本を文庫化するにあたり、巻末の座談会にご本名明記のうえで出席されているのだ。
「その後のナウル」という座談会の参加者は、「アホウドリの…」の単行本が出版されてから現在に至るまでの間に、ナウル共和国に実際に旅をしたという5名の方で、キーノ小岩氏もそのうちの一人なのである。
みなさんマニアックな旅行者だから言いたいことだらけという雰囲気に満ち満ちていて、座談会と言いつつなにげにそれぞれのコメントは噛みあっていないような気もするものの、ナウルを「生暖かい目」で見守っていこう、という優しさが滲んでもいる。
それはともかく、なにはともあれついに世間が「旅する酔っ払い」としてキーノ小岩氏を認識した記念すべき最初の本として、当店ゲストのみなさんは一読の義務を有しているのである。
というわけで、さっそくアマゾンでポチッ!
アホウドリの糞でできた国~ナウル共和国物語~
文・古田 靖 絵・寄藤文平
(株)アスペクト 刊 630円+税
Posted by クロワッサン at 08:39│Comments(2)
│日々の徒然
この記事へのコメント
おぉ〜、先日偶然にもキーノ氏登場しないなぁ・・と思っていたら(笑)
彼の写真も掲載されてるのでしょうかね? シラフで撮影されてるかは??ですが、綺麗な写真を撮られますね。
彼の写真も掲載されてるのでしょうかね? シラフで撮影されてるかは??ですが、綺麗な写真を撮られますね。
Posted by ウータン中村 at 2015年02月19日 13:49
実はこのネタ、昨夏すでに紹介していた………
………つもりでいたんですが、
未遂だったことに今回気がつきまして(汗)。
座談会はハンドルネームで参加されている方のほうが多いくらいなので、
座談会風景等の本人特定可能な写真掲載は、
残念ながらNGだったようですね。
………つもりでいたんですが、
未遂だったことに今回気がつきまして(汗)。
座談会はハンドルネームで参加されている方のほうが多いくらいなので、
座談会風景等の本人特定可能な写真掲載は、
残念ながらNGだったようですね。
Posted by クロワッサン at 2015年02月19日 14:14