2024年09月05日
亜麻色の胸の羽を風が優しく包む。
2024年 9月4日(水) 晴れ
北の風 おだやか
本日は週に一度の買い出しデー。
先週は台風後のどさくさで前後にゆっくりできなかったのだけど、今週は行きも帰りも慌ただしさが無くのんびりモードだ。
いつものように名護で買い物をしがてら、羽地のターブックヮまで足をのばしてみた。
そろそろ秋の渡りの季節に入っているらしく、新聞のローカル記事によると、魅惑的な鳥さんたちが姿を見せ始めている、とあったから、どれどれとばかりに田んぼを見渡してみたところ…

一面の青田。
このあたりが、二期作の亜熱帯と一期作の本土との季節感の違い…ってところか。
すべてが手前の田のようにまだ疎な状態だったらまだしも、他はもっと育って密生しているため、合間にいる小さな鳥さんなど見えるはずもなし。
ただただ、そこかしこにいる白鷺系のサギたちの姿が見えるだけなのだった。

コサギなみのサイズだけどコサギっぽくないこのサギ、誰だろうと思いながら撮っていたんだけど、後刻画像を見たら胸のあたりの羽毛が少し亜麻色になっていた。

ってことは、アマサギなのかな?
胸から上が亜麻色の夏バージョンではないアマサギは初めてかも。
さてさて、羽地ターブックヮまで足をのばしたら、お昼はもちろん伊差川食堂。
オタマサはいつものごとく伊差川そばの小、ワタシは珍しく肉野菜そばをオーダーしてみた。

野菜そばに軟骨ソーキが載っているもので、ここ伊差川食堂のそばメニューの中では高級メニュー(@750円)になる一品だ。
キャベツとタマネギとニンジンを、やる気系味付けで炒めたものをドンッとそばの上に載せてあるだけといえばそれまでながら、そういえば我が家ではキャベツをこのように炒めていただくことがほとんど無いこともあって、やる気系に味付けの野菜炒めとその味に染まるスープがやけに美味しく感じられた。
そばプラス野菜炒め、そして軟骨ソーキとくればもちろんボリュームもたっぷりだから、なるほど高級メニュー側になるのもナットクだ。
いやあ、記憶に由来する期待値を大幅に上回る充実の逸品。
もっとも、こういう炒め物系の場合、調理場のご婦人が違うヒトになると味もすっかり変わるんだろうなぁ。
同じヒトでもその日の気分で変わるかも?
ところで、我々がこういうそば屋さんに入店するのは、混雑を避けるためにも早お昼時間帯になることが多く、伊差川食堂でもたいてい11時頃になる。
毎週毎週来ているわけじゃないものの、その時間帯に伊差川食堂に入ると、必ずといっていいくらいの頻度でおじいがいつも同じテーブルで食事をしている。
おそらくおばぁに先立たれたあと、朝昼兼用の食事をこの伊差川食堂で摂ることがルーティンになっている常連さんなのだろう。
この日もそのおじいが先に食事されていたんだけど、ひと足早く店を出られたあと、再び戻ってきて厨房にいるご婦人たちとおしゃべりをしていた。
常連さんだからそういうこともあるのだろうと思いつつ、見るともなしに様子をうかがっていたところ、なんとおじいは厨房スタッフの2人にと、隣のスーパーで買ってきたらしきコカ・コーラを差し入れていたのだった。
いやはや、すでに絶滅していると思っていたかつてのニッポンの姿が…。
ところで、先週の買い出しデーの際には、オタマサの希望で我部祖河食堂本店に立ち寄ったんだけど、これまた早お昼時間帯に入店すると、入り口すぐそばのテーブルに鎮座していた会長(我部祖河食堂の絵柄になっている方)が、客が入店するごとに挨拶されていたので驚いた。
かつて紹介したように、我部祖河食堂もまたお値段が随分パワーアップしている。
それについては、知名度からして観光客価格になるのも仕方がないか…とナットクしていたのだけれど、我々が入店したその日は食後に駐車場を見渡してもレンタカーはほとんどなく、席についているお客さんたちといえば、おじいおばあの年配夫婦やご家族連れ、若いカップル等々みなさん地元の方々っぽかった。
たとえ価格がパワーアップしようとも、地元の方々にとっては慣れ親しんでいるお店、週に一度のそばタイムということなのだろう。
ちなみに我部祖河食堂は自家製麺を使っているので、亀浜製麺所の細い麺を使っている伊差川食堂のそばはもちろん、北部で一般的な名護そば系の麺とも違う、独特の食感と味わいを楽しめる。

これが600円ほどだった時代が、ほんの少し前にあったんだけどなぁ…。
価格はたとえパワーアップしようとも庶民の味であり続ける、それが沖縄そばなのである。