2024年10月07日
サバイバーたちの使命。
2024年 10月6日(日) 晴れ夕刻レインボー付きにわか雨
北東の風 おだやかのち波あり 水温28度
久しぶりに雨の心配も風の憂いもなく、ノーストレスの1日になった。
台風シーズンと季節風の端境期でもある10月になると、そろそろ季節風の走りが吹き始める頃でもあるのだけれど、台風も季節風も関係ない時は、いわゆる秋晴れの素晴らしい日和になる。
こうなれば誰だって海へGO!
白化が顕著になって以来初めて中の瀬に行ってみた。
浅場で広大に広がるサンゴたちもまた、水納島のリーフと同じように死の世界になってしまっているのだろうか。
すると、おそらく白化によるダメージが原因で死んでしまい藻が生えているものもいたけれど、全体的にパステルカラーで、このままなんとか凌ぎ切りそうな感じ。
やはり潮通しがいいところでは被害の度合いも異なるということなのだろうか…。
それに比べて現在の水納島の主要ポイントのリーフエッジ付近はというと…
…すっかりデスワールド。
死んで藻が生えていてもまだしっかり輪郭もシャープに原型をとどめているから、見慣れていない方がご覧になるとすべて生きているように見えるかもしれない。
なかには、藻が生えて死んでしまっている状態から、サンゴたちは元気に復活すると勘違いしている方すらいらっしゃるかもしれない。
でも上の画像で茶色く見えるものはすべて死んでしまった元サンゴで、もちろんのことここから復活するはずはなく、このあとは崩壊しか待っていない。
GWにコブシメたちがセッセと卵を産んでいた↓このサンゴも…
…8月末の時点ではパステルカラーになりはしても頑張っていたんだけれど、
9月以後ついにこらえきれなくなり、やがて死に至ってしまった。
くどいようですが、茶色い部分は死んで藻が生えてしまっているところです。
ジワジワと生活圏を奪われていた、コバンハゼが集まる枝状サンゴもしかり。
生活圏減少のリミットを越えてしまったのか、ここで観られたコバンハゼたちはすっかり姿を消してしまった。
場所を選べばまだかろうじてコバンハゼが観られるサンゴが頑張ってはいるものの、枝状サンゴとテーブル状サンゴが隣り合っていてこそ可能な「コバンハゼの散歩」は、その条件に見合うところが次々に失われているために、観られる場所がほとんどなくなってしまっている。
ちなみに「コバンハゼの散歩」とは、↓こういうものです。
こういうシーンをごくごく当たり前に観られたサンゴ礁の復活まで、はたしてどれくらいの時間を要するだろう。
98年の白化の際には、リーフ上のサンゴが壊滅してしまいたちまち食糧危機に見舞われたオニヒトデたちが大挙して餌探しの旅に出てしまったものだから、白化を免れたエリアにオニヒトデたちが大量に押し寄せる…なんてこともあった。
でも近年はなにがどうしたのかオニヒトデはかなりのマイノリティになっているので、サバイバーサンゴたちにオニヒトデが襲来するということはないかもしれない。
であれば、場所によってはなんとか凌ぎ切っているサンゴたちが次世代供給源となってくれることによって、早期の復活もあるかもしれない。
コトここに至れば、あとは生き残ったサンゴたちの頑張りに期待しよう。
Posted by クロワッサン at 06:04│Comments(0)
│水納島の海