2024年10月17日
新たな暮らし方の模索。
2024年 10月16日(水) 晴れ昼と夕に少々雨
北東の風 うねりあり 水温27度~28度
朝からスッキリした秋晴れで、午前中は気分爽快あらまそーかいってなくらいだった。
でも昼過ぎの干潮に向けてどんどん潮が引いていくタイミングだと水も良くないだろうからと、海に行くのはあえて午後イチにした。
すると…
昼になっていきなり雨が。
なんという嫌がらせ。
でもちょっとした雨雲がたまたま島の上空を通過した…という程度の雨量だったから、潜る分には支障はない。
というわけで、お昼過ぎの海の中。
白化被害進行のピークは過ぎ、今現在色が淡くなっているだけのサンゴたちはなんとか生き残りそうに見える。
一方、白化はしてもさほど縮むことのないまま耐えていたイソギンチャクたちも、場所によっては少しずつ褐虫藻が戻り始めているような気がする。
ただし白化して弱ってしまい、すっかり縮んでしまっているものは、回復が遅れるか、はたまたそのまま衰弱していくのかもしれない。
縮みすぎたイソギンチャクではペアの間でサバイバル的トリアージが行われているようなフシがあるんだけど、このイソギンチャクではまだペアがペアのままで居続けていた。
武者小路実篤が思わず筆をとって一筆書きそうな二人ながら、実際は居住スペースが狭すぎて、とっても困っておるのです。
リーフ際近辺のサンゴたちが次々に死んでいくために、ジワジワと住処を追われているコバンハゼたち。
それでもサンゴが頑張っているところでは、ひとつのサンゴ群体に大小様々な20~30匹ほどのコバンハゼが、今もなお元気にチョロチョロしている。
ある程度以上のサイズになると黒色が濃くなるコバンハゼも、小さい頃は薄墨色程度であるらしい。
となると、以前紹介した↓このチビターレは、やはりコバンハゼの激チビってことだろうか?
ただしこの日コバンハゼを見ていたサンゴ群体には、アワイロサンゴハゼと思われるものも暮らしていた。
コバンハゼがたくさんいるサンゴでも、他のサンゴハゼ類が暮らせるのですね…。
となると、先ほどの激チビをコバンハゼだと認定するのは早合点か?
ところでアワイロサンゴハゼといえば、本来はコバンハゼが散歩で出歩くようなテーブル状サンゴを好んでいる。
この同じポイントに、アワイロコバンハゼが暮らしている大きなテーブル状サンゴがまだ健在で…
…↑この狭い枝間を今日もチョロチョロしていた。
とはいえなにぶん狭い枝間だから、そこから覗ける姿といえば、せいぜいこんなもの…
…と諦めていたところ、けっこうのどかに暮らしているのか、このサンゴ群体のアワイロ君たち、特にチビターレたちが、ちょこまかちょこまかとサンゴの穂先をスルスル這い伝いながら、表面に出てきてくれるのだ。
細い穂先にチョコンと乗ることもできる彼らながら、サンゴが異物を取り込んで共肉で覆っている箇所(薄紫色に見えるところ)がお気に入りらしい。
同じところに、もう少し大きい子も出てきてくれた。
なんだ、こんなにおんもに出てきてくれるんだ、アワイロコバンハゼ。
…と、ここまで特に気にせずアワイロコバンハゼと書いてきたけれど、大きいほうと小さいほうが実は異なる種類だったらゴメンナサイ。
ワタシがリーフ際でこのようなものをチマチマ眺めていた頃、オタマサは砂地の根で、お馴染みの魚のお馴染みではないシーンに遭遇していた(以降の写真はすべて、撮影:オタマサ)。
一見なんのヘンテツもないカミソリウオ。
しかしそのお腹(?)のあたりをよく見ると…
…ウミタケハゼのチビターレらしき魚がついている!
もう少しわかりやすく…
刺胞動物や棘皮動物、もしくは海藻などについていることはよくあるウミタケハゼ類ながら、他の魚にくっつているシーンなんて初めてだ。
コバンザメにヒントを得て、新たな暮らし方を模索しているのだろうか。
ひょっとするとこのウミタケハゼ、カミソリウオを海草だと信じて疑っていない、極めつけのうっかり八兵衛なんじゃ……。
このカミソリウオがペアではなくメス単独だからいいようなものの、そばにオスが居ればたちまち見つかり、一飲みにされてもおかしくなさそう。
取り返しのつかないところにいる己に気づいた時、このウミタケハゼはどうするんだろう?
Posted by クロワッサン at 06:09│Comments(0)
│水納島の海