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2024年03月06日
振り返ればヤツがいる。
2024年 3月5日(火) 雨時々曇りや日差し
南の風 けっこう波あり
せっかく本島に一泊しているのだから、島に戻るにしても何かしてから、せめて買い物くらいは済ませてから帰ったってバチは当たらない。
ところが気象海況予報は時を追うごとに悪化していき、今朝はさらに予断を許さぬものになっていた。
グズグズ本島で過ごしている場合ではないかも。
そのため買い物は夕刻のうちに済ませておいて、この日は天気の様子をみながら朝早めに島に帰ることにしていた。
未明にはかなりの雨、そして突風。
小さなボートで帰るには、かなりキビシイお天気のまま夜明けを迎えるのだろうか…
…と覚悟を決めていたところ、7時頃からしばらくは雨雲が途切れる時間帯がありそうだったから、チャンスとばかりにその間に帰ることにした。
おかげさまで西の空には雲間から青空が見えるほどで、水を浴びるのは波しぶきだけで済んだのだった。
島に戻ってしばらくの間は、このまま晴れるんじゃ?ってくらいに日差しまで出ていたんだけど、かと思うとザーッと雨が降り、また晴れ、また降り……
なんだか台風みたい。
そうはいっても未明を除いて雨雲はそれほど発達していないようだったから、豪雨だ雷雨だ突風だという心配はないだろう…
…と思いきや、なんとなんとお昼時には伊江島で映画「ツイスター」級の竜巻が発生していたらしい。
ふんどし男さんがコメント欄にてお知らせしてくださった際には全然知らなかったんだけど、後刻ネット上のニュース画像を見てビックリしてしまった。
こんなのが我が家に、もしくは桟橋に襲来していたら、ひとたまりもない……。
そんな竜巻騒ぎが起きているとはつゆ知らず、雨が上がっているのを幸いとばかり、この日も呑気に午後の散歩。
その少し前にオタマサが校門近くで姿を見かけたという、ヤツガシラの姿を求めてみた。
今日も会えるだろうか、ヤツガシラ。
…という目当てがあったのだけど、30分ちょい歩いたものの姿は見えず。
いるとはいってもそうそう会えるものではない…
…と思いきや、家に戻ってきたら、ハイビスカスの垣根の下でエサを探していたヤツガシラが、ナカチさんち方面に飛んでいった。
何度も我々の出現に驚いているくせに、懲りずに何度もやってくるヤツガシラ。
我々も、すでに何度も家の周辺で遭遇しているというのに、依然として「まさかそんなところにいるとは…」のままだから、やはりお互いトリアタマということなのだろうか?
飛び去ったヤツガシラは、廃屋の屋根の上にチョコンと乗っていた。
そこに近づくには姿をさらしたままになってしまうから、すぐに逃げ去るかな…とダメ元で抜き足差し足で近寄っていくと、わりと近寄れた。
最初はちゃんと立っていたんだけど、やがて腰を落としてチョコンとコンクリートの上に。
一応警戒して飛び去ったものの、ヤツガシラ的にも
「またこいつらか…」
と思っているのかもしれない。
この様子なら、もう少し近寄ってもいいかな…
とさらに2、3歩進んでみると…
…飛び去ってしまった。
ヤツガシラ、すまぬすまぬ。
すぐ近くにあるジュンコさんの畑に舞い降りたような気配があったものの、このうえさらに邪魔するのは申し訳ないので、このへんで終了。
ヤツガシラとしても驚いたことだろうし、きっとしばらくは姿を見せない…
…というのが例年の様子なのだけど、今年のヤツガシラは一味違う。
それから1時間ほど経った頃、庭先でゴソゴソしようとしていたオタマサが、またまた「ヤツがいる!」と声を潜めて知らせてくれた。
それも我が家の庭先、ハイビスカスの垣根の下。
さきほど飛び去る前にヤツがいた場所だ。
ちなみに玄関先から見ると、このあたり。
矢印の先にヤツがいます。
何度も何度も我々に驚かされているというのに、それでも何度も何度もやってくるヤツガシラ。
ここによほどの御馳走でもあるのだろうか。
そっと外に出ても逃げないので、お食事中の様子を観ていたところ、ヤツガシラは細く長いクチバシを使って、せわしなく地中のエサを探していた。
けっこう効率的に見つけられるらしいエサは、何かのサナギのようだった。
@動画キャプチャー
お目当てはこのようなサナギなのだろうか。
このエサを飲み込む様子はこちら。
我が家周辺をエサ場にしてくれているおかげで、ここ5~6年分をまとめたよりも多い遭遇機会がある今年のヤツガシラ。
場所が場所ならバズーカ砲のようなレンズを構えた愛鳥家の行列ができるかもしれないほどの珍鳥を、庭先で眺めていられるこのシアワセ…。
このあとオタマサなどは、デッキの上でプチ筋トレをしながらでも、すぐそこにいるヤツガシラを観ていられたそうな。
異例過ぎるほどにフレンドリーなのか、それともうっかり八兵衛級のトリアタマなのか、例年とは一味違うヤツガシラのおかげで、連日の冴えないお天気ですらシアワセ色に包まれてくるのだった。