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2024年03月13日
プレイバックPart2。
2024年 3月12日(火) 早朝雨のち晴れ
北西の風 激時化
もう3月も半ばというのに、このオフシーズン最大規模の激時化襲来。
その後本土のほうでさらに異常発達した低気圧が暴れているらしいから、多くの方にとっても身近な話かもしれないこの激時化、天気予報でもちゃんと予報は出していた。
となれば、連絡船用バースにボートを避難させておくのが通例ながら、今回は低気圧を伴う前線で、いわば小さな台風が付近を通過していくようなもの。
その場合強風の向きがガラリと変わるんだけど、今回は激しい北風になる前にはかなりキビシイ南東の風が吹くと予想されていた。
激しい北風の前にキビシイ南東の風が吹くとなると、あらかじめ連絡船用バースにボートを安易に避難させておけない…。
その風の変わり目が日中になりそうなら、風が回る前にス…と静になる束の間のチャンスにボートを移動させることができる。
ところが往々にしてそれは夜中になることが多く、今回も午前3時頃になりそうだった。
しかも大雨後の雨予報。
おまけに大きく潮位がマイナスになる干潮時。
真っ暗&雨降りのなか、激引き状態の桟橋脇でボートを移動させるなんて……無理。
フツーだったらこういう場合、とっとと諦めていち早くボートを渡久地港に避難させておくところ。
ところが今回はなんとも間の悪いことに、13日にタンクを検査に出しに行く予定にしており、なおかつ予報は連絡船が動くかどうか微妙な塩梅なもんだから、確実にタンクを運搬するためにも島から出るためにも、自分たちのボートが必要だ。
…という縛りのせいでこういうことになっている次第。
でもまぁ前日夕刻に出ていた予報どおりだったら、夜明け頃ならまだそれほど風は強まってはいなさそうだったから、ボートを回すのはその時でも大丈夫そうだ。
仮に予報よりも早まって夜明けには強風になっていたとしても、予報されているレベルくらいだったら、ボートをそのままにしておいてもなんとか耐えてくれるだろう…
…ということにし、前日夕刻には補強用のロープを足しておくだけに留めた。
その後風が変わるまでは、ずっと南東よりの強風だから、ボートの心配はまったくない。
ただし夕刻以降、翌日の予報の時化レベルが2段階ほどアップしてしまった。
こりゃなんとしても夜明け前くらいには、連絡船用バースにボートを回しておかねば。
というわけで、雨が止んで潮もある程度満ちてきている朝4時30分頃、ボートを回す準備をして桟橋に行ってみたところ……
時すでに遅し。
すでに西風が強く吹いており、係留してあるボートを動かすなんて不可能。
かくなるうえは、ロープとボートに頑張ってもらい、この苦難を乗り切ってもらうしかない。
最大の難所は、時化がピークに達する満潮時、すなわち8時30分前後の1~2時間だ。
風の威力は同じでも、潮位が高いのと低いのとでは入ってくる波の高さがまったく違い、ロープへの負担は全然違ってくる。
夜明けから1時間おきくらいにボートの様子を観に行っていたんだけど、やはり満潮時の様子が最も「見ていられない」状況になっていた。
沈めてあるアンカーから引いている2本のロープが、文字どおりの命綱。
これが切れてしまえば、ボートは桟橋に叩きつけられて大変なことになってしまう。
だからといってこうなってしまうともうどうしようもないので、ただただ手を合わせてお祈りするほかない。
その後も風のピークが去るまで、1時間おきくらいに様子を観に行っていた午前中のこと。
庭先からタツヤさんの声が。
その瞬間、前回の辰年の10月の朝のことがプレイバック!
そう、まだ台風の返し風が抜けきらない暴風域中にもかかわらず、タツヤさんが玄関先に現れ
「ボートがひっくり返ってるって」
と、まことにまことに言いづらそうに教えてくれたのだった。
渡久地港の様子を見にきていたオーシャン・オギドーさんから連絡があったそうで、それを暴風のなか我々に伝えに来てくれたのだ。
ちなみに、当時のその後の様子はこちら。
なのでこういうシチュエーションで庭先からタツヤさんの声とくれば、記憶がプレイバックするのも当たり前なのである。
はたして、桟橋のボートに何かが?
しかし今回は違った。
「ボート大丈夫ね?」
海の様子を見にいったタツヤさん、するとうちのボートが波に揺られ風に煽られ大変な状態、すなわち先ほどの画像状態になっているのを目にし、心配して知らせに来てくれたのである。
やっぱ誰が見てもヤバい状況だよなぁ…。
伝えに来てくれたことに感謝しつつ、ボートをいつものように避難できなかった事情と、1時間おきくらいに様子を見にいっていることを伝えておいた。
低気圧通過後の時化のピークは午前中で、午後にはずいぶんおさまってきた。
ただし夜中にはまた高気圧のプチ張り出しがある見込みで、再び北風が強まる予報になっている。
なので風がある程度おさまっていた夕刻に、夜に備えてボートを連絡船用バースに移動。
これで今夜は何の心配もない。
とはいえあまりにも「遅ればせながら」だったからだろう、係留を終えたボートの表情は
「おせーよ!」
と怒っているように見えたのだった。
よく考えたら、何が何でも13日に出掛けなきゃならないわけでもなく、1日2日ずらす旨先方に伝えればよかっただけの話。
そうしておけば、あらかじめ渡久地港に避難させておけたのになぁ…。
ま、オオゴトになってからの後悔じゃなくて、よかったよかった。