2024年09月19日
チュウシャクシギ。
2024年 9月18日(水) 晴れ間も見える曇りのち雨
北東のち東の風 荒れ模様のち時化模様
高速台風が駆け足で迫ってくる予報となれば、もちろん連絡船は全便欠航。
今回も見掛け倒し台風で終わりそうながら、過ぎ去ったあとの風のほうが強いようだから、おそらく明日も連絡船は動かないだろう。
台風接近中ではあっても、午前中は晴れている時間帯もあって、雨に悩まされることはなかった。
雨に悩まされるといえば、島内で唯一床上浸水になってしまうガメ公ハウス。
先だっての台風前には、床上浸水を避けるために土を盛って元に戻した…ということはすでに紹介したとおり。
でもその翌日には早くも掘り返してしまい、しかも小屋を持ち上げてしまって斜めにかしいでいる始末。
ガメ公が得意気になっているところがなんともクヤシイ。
小屋の四隅のうち、唯一ブロック塀に接していない手前側の柱は、モルタルを流し込んだ土台の上に設置した束石に立てているもので、モルタルの塊&束石が埋まっているから、さしものガメ公のパワーでも動かすことはできないはずだった。
ところが10年も経つと、柱材を繋ぎとめている束石の羽子板部分が腐食してしまい、ついにガメ公パワーで束石と柱が分離されてしまったのが数年前のこと。
以来、穴を掘ってから壁材の下に入って小屋を持ち上げるたびに、手前側の柱が上にずらされ、小屋全体が変形してしまうようになってしまった。
その都度補修してはいるものの、まったくイタチごっこ。
ひとたび大雨になれば浸水してイヤな思いをするのはガメ公のくせに、2歳児レベルの知能ではそのあたりの因果関係などわかるはずもない。
仕方なく、今日もエサ採りのあとエッホエッホと朝から補修作業をして…
…イタチごっこの後攻終了。
これで多少の大雨でも水浸しになることはあるまい。
ああしかし。
早くも午後には、ガメ公による7回表の攻撃が始まり…
…すっかり元の木阿弥に。
台風の雨が目前に迫っているというのに、やっぱ2歳児レベル知能はバカなんだなぁ…。
雨の中7回裏の攻撃に入ろうなどという気にはなれず、ガメ公とのいたちごっこは雨天コールドゲームでガメ公勝利となったのだった。
もっとも、実際に雨が降って被害に遭うのはガメ公だけど…。
まぁ気温は低くはないし、床上浸水しても死ぬことはないだろう。
夕刻は雨が降らない時間帯になっていたんだけど、もうガメ公ハウスは放置することとし、桟橋まで散歩に出かけた。
昨夕はけっこう白波が出ていた洋上、台風がもうそこまで迫っている今は、すっかり荒れ荒れになっていることだろう…
…と思いきや。
なんだ、昨日より静かじゃん…。
「本島直撃コース!」とか「今夕本島地方に最接近!」など、例によっていつものごとく人々を不安に陥れる文言ばかりを吐き出し続ける気象予報系ニュースの煽り言葉とは裏腹に、風は吹かない雨は(それほど)降らないと来たもんだ。
たしかに直撃コースではあったけれど、直撃すぎて中心部の穏やか~なところが本島の真上を通過していったため、結局このあと宵のうちから深夜にかけて、ほとんど風が吹かなかったのだった。
むしろ通り過ぎて少し台風が離れてからのほうが風の強いエリアに差し掛かるようだ。
そんなヘナチョコ台風を一応避けるためだったのだろうか、夕刻の桟橋散歩の際に、桟橋上に見慣れない鳥さんの姿があった。
遠目には小さめのサギかと見紛うほどに大きなシギの仲間で、その特徴的なクチバシから、おそらくチュウシャクシギと思われる。
何年か前に億首川の河口域で目にしたことがあるけれど、水納島では(個人的に)初記録だ。
こうして単品でいるとサイズ感がわからないけど、そばにいたシロチドリを追い払っていた様子を見れば…
…そのデカさがおわかりいただけよう。
チドリ類やシギ類はそのサイズのわりにけっこうけたたましい鳴き声で、チュウシャクシギは体がでっかいこともあってその声量はさらに大きく、ワタシの姿を察知して飛び去る際にボリュームマックスの声を聴かせてくれた。
どこまで飛んでいったのかは定かならなかったけれど、このあと裏浜にも足をのばしてみたところ、裏浜に出た途端、左奥の遠い干潟のあたりから、再びけたたましい声を発しながら、おそらくチュウシャクシギと思われる数羽の鳥が羽ばたいた。
どうやら独りぼっちじゃなかったようだ。
チュウシャクシギは沖縄県内では一部で冬の間ずっと滞在しているものもいるようながら、基本的に春と秋の渡りの季節に羽休めに短期間滞在する旅鳥ということになっている。
ということは、この日のチュウシャクシギたちは、秋になってどこからかやって来て、この日たまたま水納島で羽休めをしていただけだったのかもしれない。
予報どおりの天気なら散歩もおぼつかなかったところ、見掛け倒し台風のおかげで千載一遇のチャンスを得たのだった。